ヘルスプロモーション理学療法研究
Online ISSN : 2187-3305
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14 巻, 1 号
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原著
  • 岩本 航平, 竹中 宗一郎, 江藤 充希, 平井 穂乃香, 村田 伸
    原稿種別: 原著
    2024 年14 巻1 号 p. 1-6
    発行日: 2024/06/30
    公開日: 2024/08/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究は,主観的な運動能力が実際の身体機能と関連するか否かについて明らかにすることを目的とした。対象は大学生56名(男性34名,女性22名)とした。歩行速度と握力を主観的に評価し,主観的歩行速度の速い群と遅い群,および主観的握力の強い群と弱い群の2 群間で,男女別に身体機能を比較した。主観的歩行速度別の2群間比較では,男女ともに有意差を認める項目はなかった。主観的握力別の2 群間比較では,男女ともに握力の実測値(男性:p <0. 001,女性:p =0. 003)と大腿四頭筋筋力(男性:p =0. 008,女性:p =0. 004)に有意差を認め,いずれの項目も主観的握力の強い群で高値を示した。主観的握力は,若年者における握力の実測値と下肢筋力を反映し得る指標であることが示された。

  • ―橈骨骨折と上腕骨骨折の比較―
    廣津 昂, 村田 伸, 安彦 鉄平, 永友 知子, 河端 博也
    原稿種別: 原著
    2024 年14 巻1 号 p. 7-12
    発行日: 2024/06/30
    公開日: 2024/08/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究の目的は,上肢骨折患者34名(平均年齢66. 3±12. 6,女性82%,上腕骨近位端骨折者14名,橈骨遠位端骨折者20名)を対象に,ペットボトルキャップテスト(PET bottle cap test;PCT)を縦断的に評価し, PCT の適用とその限界を明らかにすることである。方法は,PCT,ペグテスト,握力,ピンチ力,ボタンの留め外し時間,更衣時間,Hand20を測定し,骨折部位(上腕骨骨折群,橈骨骨折群)および時期(初回, 1 ヶ月後)を要因とした二元配置分散分析,ならびに各時期でのPCT と各評価の相関分析を行った。その結果,時期の要因において,PCT,ペグテスト,握力,ピンチ力,ボタンの留め外し時間,更衣時間,Hand20で主効果が有意であり(p <0. 01),部位の要因において,握力,ピンチ力で主効果が有意であった(p<0. 05)。また,両時期ともPCT はペグテスト(初回:r = -0. 359, 1 ヶ月後:r = -0. 396),ボタンの留め外し時間(それぞれr =0. 739,r =0. 608),更衣時間(それぞれr =0. 52,r =0. 619)と有意な相関が認められた。以上より,PCT は骨折部位を問わず患側の巧緻性および両手の上肢操作能力の経時的変化と類似傾向を示し,時期を問わず患側機能やADL に関する上肢操作能力を評価しうる両手動作の評価法である可能性が示された。

  • 辻 拓真, 今村 天音, 前 里織, 横山 茂樹
    原稿種別: 原著
    2024 年14 巻1 号 p. 13-18
    発行日: 2024/06/30
    公開日: 2024/08/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では,片脚着地動作における下肢関節運動が衝撃緩衝係数に与える影響を明らかにすることを目的とした。対象は,整形外科的疾患を有さない者14名(男性7 名,女性7 名)とした。測定指標は,片脚着地動作時における体幹や下肢の関節角度および足部接地時からの関節角度変化量,床反力による衝撃緩衝係数とし,各項目の男女間での比較や相関を検証した。男女間では,衝撃緩衝係数に有意差を認めなかった。また,女性のみ膝関節屈曲の角度変化量と衝撃緩衝係数との間に負の相関を認めた。さらに,女性のみ接地時の足関節底屈角度と衝撃吸収時の膝関節外反角度との間に正の相関を認めた。以上の結果から,女性は男性と比較して膝関節の関節運動を多く用いることで衝撃吸収を行っていることが示唆された。

  • ―足部形態・体格・身体組成との関連―
    弓岡 まみ, 村田 伸, 甲斐 義浩, 中野 英樹, 阪本 昌志, 松井 宏彰
    原稿種別: 原著
    2024 年14 巻1 号 p. 19-23
    発行日: 2024/06/30
    公開日: 2024/08/28
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】本研究の目的は,浮き趾の状況を第1 趾から第5 趾別に確認し,各趾において浮き趾と足部形態・体格・身体組成との関連を検討することである。【方法】解析対象は小学1 年生から6 年生の児童438名とした。浮き趾の判定を第1 から5 趾の各趾で実施し,各趾別に浮き趾あり群となし群に分類して足部形態と身体組成を比較した。【結果】浮き趾あり群はなし群に比べ,第1 趾で体重,体脂肪率(p<0. 05),ローレル指数,足幅,足幅/ 足長(p<0. 01)が有意に高かった。第2 趾では体重を除き同様の結果となった。第3 趾から5 趾では母趾外反角(p<0. 05)のみ有意に大きく,その他有意差は認められなかった。【結論】第1 趾と2 趾に浮き趾がある小学生はローレル指数や体脂肪率が高く,第3 趾から5 趾の浮き趾は母趾外反角に影響を受ける可能性が示された。

短報
  • 岡田 未来, 澤邑 香乃, 水嶋 奎斗, 川島 祐貴, 重藤 隼人, 甲斐 義浩, 合田 明生, 宮地 諒, 兒玉 隆之, 安彦 鉄平
    原稿種別: 短報
    2024 年14 巻1 号 p. 25-29
    発行日: 2024/06/30
    公開日: 2024/08/28
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究の目的は,児童の運動能力に関連するミラーシステムの評価方法を検討する ことである。学童に通う小学校1 年生から4 年生の児童140名を対象とし,小学1 ,2 年生 を低学年,小学生3 ,4 年生を中学年とした。ミラーシステムの評価として模倣課題およびメンタルローテーション課題,運動能力の評価として握力,上体起こし,長座体前屈, 立ち幅跳び,反復横跳び,開眼片足立ちを実施した。低学年では,模倣課題と握力,立ち 幅跳び,反復横跳び,開眼片足立ちとの間に相関が認められた。メンタルローテーション 課題では相関は認められなかった。中学年では,模倣課題,メンタルローテーション課題 ともに相関は認められなかった。本研究の結果から,ミラーシステムを反映する評価方法 である模倣課題は,小学校低学年までの児童への運動能力の評価指標として有用であることが示唆された。

症例報告
  • シングルケーススタディ
    北井 拳, 水嶋 祐史, 山田 洸大, 河村 航大, 谷口 和樹, 伊藤 大輝, 兒玉 隆之
    原稿種別: 症例報告
    2024 年14 巻1 号 p. 31-39
    発行日: 2024/06/30
    公開日: 2024/08/28
    ジャーナル オープンアクセス

    Total Knee Arthroplasty(TKA)後の問題点に,遊脚初期膝周囲筋の筋活動により,遊脚期膝関節屈曲角度や歩行速度が低下しやすいことが挙げられる。そこで,左TKA 3 週時点で左遊脚期膝関節屈曲角度が正常値より不足している高齢女性に対し,前遊脚期の股関節最大伸展角度を検知することで,遊脚期膝関節屈曲運動を可能とする歩行アシスト装置を用いた介入を試みた。本研究では,左遊脚初期膝周囲筋の筋活動に着目し,その有効性について検証した。本介入はAB デザインとし,Aは独歩練習も含めた歩行能力改善に推奨される理学療法を行った。Bは独歩練習時に歩行アシスト装置を駆動し,他はAと同様の理学療法とした。B介入後,左遊脚初期に大腿直筋,外側広筋,大腿二頭筋の% Maximal Voluntary Contraction(% MVC)が低値傾向を示し,腓腹筋の% MVCが高値傾向を示した。10m歩行速度は中等度改善を認めた。歩行アシスト装置を用いた介入は,左遊脚期膝周囲筋の筋活動を変化させ,歩行速度を改善させる可能性が示唆された。

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