2017 年 25 巻 p. 26-32
渦輪を用いた固体粒子群の生成と輸送の技術の開発実験を実施した.ピストンとシリンダから構成される渦輪射出装置を水タンクの底部に設置し,シリンダ出口に張ったメッシュにポリアセタール粒子を置いた.個数は100,直径は1.52 mm,密度は1417 kg/m3である.シリンダ内の水をピストンで鉛直上方に押し上げ,タンク内に固体粒子を含む渦輪を射出した.ピストン速度とシリンダ直径で定義されるReynolds数Reが6500,7500,13000の渦輪を調べた.その結果,Re = 7500と13000の場合には,粒子が渦輪内部に巻き込まれて粒子群が生成され,渦輪の移流に伴って鉛直上方へ輸送された.渦輪の鉛直断面内の水速度は粒子により低下し,渦輪強度も減じた.Reが低い場合ほど低下量が大であった.