2019 年 27 巻 p. 110-114
食品や医療分野,工業プロセスの洗浄工程においてゲル粒子を迅速かつ高度に分離する技術として,膜あるいはフィルター分離が広く用いられている.従来の剛性粒子を対象とした理論を,変形性を有する粒子にそのまま適用することは困難であるため,その分離メカニズムを詳細に理解し,ゲル粒子を対象としたプロセスの設計指針を新たに構築する必要がある.本研究では,そのためのアプローチとして数値シミュレーションを用いる.ゲル粒子の膜あるいはフィルターへの付着現象を表現できる新たなモデルの開発を行った.繊維フィルターによるゲル粒子の捕獲メカニズムの解明に向けた第一歩として,単一ゲル粒子の分離膜表面への付着シミュレーションを行い,粒子の変形性が付着挙動へ及ぼす影響を明らかにした.