2019 年 27 巻 p. 133-137
本研究では,金属有機構造体(Metal-Organic Framework; MOF)の吸着材としての実用展開を見据えて,球状集合体への自己集積プロセスの構築と得られた集合体の構造と吸着特性の評価を試みた.メタノールと水の混合溶媒に分散させたMOF粒子を,マイクロ流路内でフッ素系油と合流させることで,連続的に懸濁液滴を形成・乾燥させることで,MOF粒子の集合体を作製した.集積過程においては,混合溶媒の体積比が1 : 1のとき液滴の安定性とMOF粒子の分散安定性が両立し,球状集積体が得られることを見出した.集積体は,空隙率がおおよそ0.3程度と最密充填に近い構造を形成していた.集積体の吸着量は粉体の場合よりも小さくなったが,それらを充填した場合の吸着速度は,集積体の方が大きいことを見出した.