2025 年 33 巻 p. 55-58
市場が拡大する一方,リサイクルが困難な積層セラミックコンデンサ(MLCC)の再資源化は重要な課題である.本研究は,微量の空気を含むアンモニア雰囲気中での熱処理によりセラミックスが微粒子に分解される「焼解」現象を利用し,廃棄MLCCを機能性セラミックス原料として再生する技術開発を目的とした.MLCCを100 μm程度に予備粉砕後,アンモニア・空気混合雰囲気下で1000°Cの熱処理を行った.得られた再生粉末からセラミックス焼結体を作製し,その組織と誘電特性を評価した.その結果,焼解処理によりMLCCは1 μm程度のアメーバー状微粒子に粉砕され,内部電極のニッケルも反応し,再生焼結体中には酸化ニッケルが混在していた.この再生セラミックスの相対密度は71%と緻密化が不十分であったものの,比誘電率1000を超える特性を示した.本研究により,焼解法が廃棄MLCCの有効なリサイクル技術となりうる可能性が示された.