抄録
システム開発・導入プログラムの成功には、プロジェクトと連動した人事目標設定及び評価が極めて重要である。達成目標をプロジェクトチーム内において共有し、アウトカムを意識した演繹的なプロジェクト運営が求められる。しかし、プロジェクトメンバの目標導出やその実績を評価する仕組みが不十分である状況が散見される。この原因として、上位組織の目標が実行組織の目標に恣意的に分解され形骸化すること、既存の組織の目標設定・評価プロセスが、P2Mに適合していないことが挙げられる。この問題に対処するため、ミッション及びプログラム目標の共有を促進し、これをプロジェクト目標として個人の人事目標に落とし込む手順を提案する。さらに中間での目標達成状況から、プログラム全体で人的・知的資源をコントロール可能にする仕組みを提案する。