Journal of Inclusive Education
Online ISSN : 2189-9185
ISSN-L : 2189-9185
総説論文
発達障害のある高校生・大学生の自己理解,進路選択の支援に関する文献調査
桒木 裕貴苅田 知則
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 3 巻 p. 38-49

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抄録

本稿では,発達障害のある高校生・大学生に対する高等学校,大学,支援機関における支援に関する実践報告や事例報告の文献から,自己理解や進路選択に関する支援のあり方について整理を行った。その結果,発達障害のある高校生・大学生の自己理解には,同年代の他者と関わることによる自己理解の深化,アルバイトやインターンシップにおける実践など発達障害のある高校生・大学生自身の行動や考え方の変化による自己理解の深化,高等学校や大学の支援者などが発達障害のある高校生・大学生に自己理解を促す場面を設定することによる自己理解の深化の3つの過程があり,これら3つの過程が相互に関わり合いながら当事者の自己理解の深化につながっているということがわかった。この結果から発展的に示唆されるのは,発達障害のある高校生・大学生が得意な面や周囲との違い,苦手分野を体験的に把握しておくことで自己理解が深まり,結果として自己の特性に合った現実的な進路選択につながるということである。本調査より,支援者は,発達障害のある高校生・大学生の自己理解の深化と進路選択のつながりを深く捉え,実践と振り返りを繰り返していくことが重要である。

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© 2017 一般社団法人アジアヒューマンサービス学会
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