抄録
企業の経営課題解決において、企業内部で困難な場合に外部の者が依頼を受けて問題を解決するための支援を行うことがある。その実行に必要な能力としては、幅広い情報収集力、課題への考察力、説得力のある提案力などが必要となる。また、社外の立場ならではの既存概念に縛られない提案が求められている。
そこで我々は、社外のコンサルタントとして依頼を受けた想定で、データベースと分析ツール等を利用して情報収集および課題整理を行い、課題解決を支援することを試みた。
実施範囲は、(1)調査・情報収集、(2)課題の明確化、(3)仮説構築、(4)仮説検証、(5)解決策提案までとした。現状分析のための情報収集をデータベースにより行うことで、業界、自社、競合の状況が整理される。次に分析ツールにより財務や経営戦略の観点から企業課題の明確化を行う。通常は内部へのヒアリングと事例収集により、課題解決策の仮説を検証するが、本研究ではこれを省略し、公開情報のみに基づいてストーリーに沿った分析をおこなって課題解決策を提案した。