抄録
普通紙複写機のクリーニングブレードの耐刷性能がブレード材の反発弾性に強く依存することを見いだした.クリーニングブレードは,スティック-スリップ運動を行いながら感光層表面上を走行する.耐刷性能は,ブレードエッジの摩耗によって決定される.われわれはゴム摩耗機構が疲労破壊であるとし,スティック-スリップ運動の粘弾性的挙動を考慮した摩耗式を組み立てたところ,ブレード材の摩耗実験の結果や実機の耐刷実験の結果と良く合った.一方,われわれは,残留トナーのブレードニップのすり抜けはスリップ運動中に発生すると推測し,クリーニング能力がスリップ距離に逆比例することを検証した.以上に基づいて,反発弾性から眺めたクリーニング性能(クリーニングブレードの摩耗寿命とクリーニング能力)のプロフィールを提供することができた.耐刷実験の1実施例では,耐刷性能は,反発弾性が50%付近でピークを持ち,反発弾性の増加とともに低下した.反発弾性が50%以下では,耐刷実験の初期からクリーニング能力が不足していた.