海洋から蒸発した水分が雨となって地上に降り注ぎ,河川を通って海洋に戻るサイクルは水の大循環と呼ばれ,水力発電はこのサイクルを利用して発電を行っている.河川は地上に局所的にしか存在しないが,空気中の水蒸気は地球上の大部分の環境でアクセス可能な資源であると言える.近年,この空気中の水蒸気 (湿度) を使った発電技術が登場し始めている.湿度を利用した発電は暗所などでも場所を選ばずに発電が可能であるという利点があり,IoT (Internet of Things) デバイスの電源を賄うための利便性の高い環境発電素子になり得るとして注目を集めている.本稿では,これらの湿度に関連する発電技術の基本的な考え方や各種の発電方式に加え,著者らが開発を進めている湿度変動電池の研究開発について概説する.