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日本クリティカルケア看護学会誌
Vol. 10 (2014) No. 1 p. 51-62

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http://doi.org/10.11153/jaccn.10.1_51

研究報告

術後せん妄は,術後に生じる一過性の認知の変化を伴う意識の障害である.発症した場合,患者のQOLのみならず,医療経済にも負の影響をもたらすため,せん妄リスクをコントロールし,早期に発見し,適切なケアを行うことが重要である.しかし,現在日本のICUや外科病棟には,術後せん妄ケアの標準ガイドラインはなく,これらにおける全国的な術後せん妄の発症状況や,各施設におけるガイドライン整備を含むケアの実態は明らかになっていない.そこで,標準術後せん妄ケアガイドラインの作成に向けて,今回,ICUおよび外科病棟の入院患者における術後せん妄の発症状況とケアの実態を明らかにし,現状の課題や標準ガイドラインに必要な内容を検討することを目的として調査を行った.方法は,独自に作成した調査票を全国200施設のICUおよび外科病棟の看護管理者に配付した.結果,回答者103名の所属する部署の1ヶ月間の術後せん妄発症率は術後患者の9.1%で,このうちの68.1%にインシデントが発生していた.ガイドライン等が整備されている部署は1割程度で,あっても内容が不十分であることや,看護師が評価やケアを行うことに負担を感じていることがわかった.標準術後せん妄ガイドラインには,せん妄やそれによって生じる事象の定義の説明,リスク因子,信頼性の高い評価スケールの提示と選択方法,せん妄発症時の具体的ケア方法,薬剤に関する知識等の必要性が示唆された.

Copyright © 2014 日本クリティカルケア看護学会

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