日本糖尿病教育・看護学会誌
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実践報告
2型糖尿病患者へのローカス・オブ・コントロール尺度得点に基づく指導の試み
木下 千恵
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2018 年 22 巻 1 号 p. 25-32

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抄録

本研究は,ローカス・オブ・コントロール(LOC)尺度の得点に基づいて,入院中患者を内的統制群,外的統制群,中間群の3群に分け,群毎の指導手順票を作成して患者の支援を行い,その後の得点変化と面接で語った内容から支援効果を検討した報告である.入院直後の得点より退院前の得点が,上昇した患者は14名中10名で,低下した患者は4名となった.入院直後と退院前が共に内的統制群であった患者は3名,中間群は3名,外的統制群は4名となり,入院直後外的統制群で退院前中間群は3名,入院直後外的統制群で退院前内的統制群は1名となった.内的統制群は,指導手順票通りに検査結果や症状の改善などの納得する情報提供をするとに効果があった.外的統制群や中間群は,治療効果を実感するが,自分のコントロール下にないという外的統制の傾向から《実行できるか不安》を感じた.このため《周囲の協力》を求め,実行に向け協力体制の拡充を必要とした.また,すべての群に《治療効果の実感》があり,検査結果の変動や症状の改善に気付かせる支援を,指導手順票に設定する必要が示唆された.

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© 2018 一般社団法人 日本糖尿病教育・看護学会
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