2021 年 2 巻 1 号 p. 31-40
本研究では、公立小学校2 校(全17 学級、児童数393 名)、公立中学校1 校(各学年3学級、生徒数241 名)の児童生徒に「あなたの楽しみ・安心についてのアンケート」を実施した。小学校下学年(小学校1 年~3 年)、小学校上学年(小学校4 年~6 年)、中学生と3 年毎の学年グループに分類し比較検討を行った。児童生徒にとって楽しいと感じる場所は、半数近くが「家庭」であり、学校は3 割程度であった。家庭で楽しいことは「ゲーム・ネット」であり、学校では「友だちと遊ぶ・話す」ことであった。家庭と学校で児童生徒に影響を与える事物が明確に異なっており、役割も分化されていると捉えられた。Well-Being を育むためには、ポジティブな情動経験を特に学校という場でどのように保障していくのかが大切と考えられた。