日本で発生した中小地震(4.5≦Mw≦6.0)を対象とした最大加速度および最大速度の距離減衰式における地震間のばらつきについて、これを偶然的・認識論的不確定性に分離する方法を検討した。分離には、空間的な共分散構造解析で用いられるセミバリオグラムを指標とした。この方法による偶然的不確定性の標準偏差と震源域と地震のタイプを限定して求められた既往研究による地震間のばらつきの標準偏差とを比較した。この結果、両者は同程度の値となることを示し、セミバリオグラムを指標とした本研究による結果の妥当性を確認した。また、偶然的不確定性の標準偏差は距離減衰式における地震間のばらつきの標準偏差に比べ、最大加速度はその60%程度、最大速度はその80%程度となることを示した。