日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
論文
距離減衰式における地震間のばらつきを偶然的・認識論的不確定性に分離する試み
内山 泰生翠川 三郎
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 13 巻 1 号 p. 37-51

詳細
抄録

日本で発生した中小地震(4.5≦Mw≦6.0)を対象とした最大加速度および最大速度の距離減衰式における地震間のばらつきについて、これを偶然的・認識論的不確定性に分離する方法を検討した。分離には、空間的な共分散構造解析で用いられるセミバリオグラムを指標とした。この方法による偶然的不確定性の標準偏差と震源域と地震のタイプを限定して求められた既往研究による地震間のばらつきの標準偏差とを比較した。この結果、両者は同程度の値となることを示し、セミバリオグラムを指標とした本研究による結果の妥当性を確認した。また、偶然的不確定性の標準偏差は距離減衰式における地震間のばらつきの標準偏差に比べ、最大加速度はその60%程度、最大速度はその80%程度となることを示した。

著者関連情報
© 2013 一般社団法人 日本地震工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top