日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
総説
大都市の地震火災の危険性とその対策課題
加藤 孝明
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2016 年 16 巻 5 号 p. 5_22-5_32

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抄録

大都市域において地震火災による想定被害は大きいとされる.本稿では,既存の地震火災危険の評価方法を用いて最近の大都市域の地震火災リスクを確認した上で,昭和40年代から始まる地震火災対策の到達点,課題を整理した.更に今後の対策,および,研究の方向性について議論を行った.現行の地震火災対策は一定の成果を収めているものの,地震火災の延焼被害の可能性が未だ高いことと,さらに同時多発延焼火災を要因とした大量死に至る可能性があること,その可能性の定量化,大量死発生のメカニズムの解明,それへの対処方法の検討が現在の技術レベルで可能であることを紹介した.

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© 2016 一般社団法人 日本地震工学会
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