地震観測や微動観測による動特性が評価されていない大多数の超高層RC造を対象に、強震時における損傷度(最大変形や剛性低下率)を簡易に評価できる指標を提案した。擬似速度応答スペクトル(pSv)の平均値(1.25T
0∼2.25T
0における平均値;T
0は初期剛性時の固有周期)が等価一質点系弾塑性モデルによる最大層間変形角と高い相関を持つことを想定南海地震による大阪平野の予測波を用いて確認した。提案したpSvの平均値と最大層間変形角間の関係式を用いることによって、大地震時に建物周辺地盤で得られた強震記録やシミュレーションによる再現波から建物の損傷度が評価できる可能性がある。なお、本検討ではできるだけ現実に近い動特性モデルを設定するため、骨格曲線の第2勾配までを制御するパラメータに、平成7年兵庫県南部地震と平成23年東北地方太平洋沖地震時の複数の超高層RC造の強震観測記録に基づく回帰分析から導かれた値を適用した。
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