本研究では,在来軸組構法木造住宅が地震による被害を受けた際の構造体の被害の程度を定量的に評価することを目的とし,木造住宅倒壊解析ソフトウェアwallstatを用いた地震応答解析を行い,建物の応答加速度と被害の程度との関係について考察した.対象建物は2階建ての在来軸組構法木造住宅とし,過去に観測された12種類の地震波を用い,それぞれ倍率を変えながら合計で169ケースの解析を実施した.地震波ごとにばらつきは見られるものの,解析から得られた2階床面の応答加速度と,耐力壁の応力状態(弾性/塑性化/負勾配/耐力喪失)に応じて求めた構造体の被害の程度との間には一定の相関を確認することができた.