2019 年 19 巻 6 号 p. 6_42-6_54
2016年熊本地震および一連の地震活動による熊本県および周辺177地点での強震記録に対してスペクトルインバージョン法を適用し, 震源・伝播経路・サイトの各特性を分離した.地震基盤から地表までのS波サイト増幅特性は, 平野や盆地内の観測点では他点に比べ1 Hz付近で大きな値を示した.分離した182地震(MJMA: 3.0-5.5)の震源スペクトルから推定した応力降下量には, 震源深さ依存性が見られた.また, 分離したQs値は, 0.5-10 Hzの周波数帯域でQs=73.5f0.83とモデル化された.