抄録
貴重な強震観測記録を有効に活用するために、多機関で個別に実施されている観測システムからデータを回収して一元化し、ウェブGIS とデータの分散相互運用技術を用いて地盤・建物・地域社会の多様な情報とリンクさせる一連のシステムについて述べる。またこれらを耐震設計、広域防災、地域防災・啓発、さらには理科・社会科教育などで活用する方策と、そのような利用者の力に基づく新たな強震観測・データ収集体制の構築に関しても論じる。これら一連の検討により、強震観測を実施して維持・管理する負担と、得られた強震記録を利用するメリットの双方を改善し、しかも多数の利用者がそれぞれの立場で観測とデータ利用の両面から貢献する体制を目指すことにより、限られた人手・機材・予算を生かした広域・高密度の強震観測体制が構築できることを論じる。