抄録
要旨:症例は70歳代の男性。腸間膜原発の脂肪肉腫に対して,腫瘤摘出術,小腸部分切除術,胃瘻・腸瘻造設術を施行した。第6病日に門脈気腫と腸管気腫を認めたが,全身状態は安定していたため経過観察を行った。術後第13病日に再度嘔吐症状,下血,血圧低下,炎症反応上昇,腎機能障害,代謝性アシドーシスなどの全身状態の悪化と広範囲の門脈気腫,腸管気腫,有意な腹水増加を認めたため,試験開腹手術を施行した。しかし,小腸の拡張所見を認めるものの,明らかな腸管壊死所見を認めなかったため,癒着剥離術のみを施行した。その後も術後第34病日に腸管気腫,第80病日にも門脈気腫と急性胆嚢炎を認めた。いずれも保存的加療にて軽快し,術後第117病日にリハビリ目的で転院となった。門脈気腫,腸管気腫は開腹手術を考慮される所見であるが,全身状態が安定している症例に関しては保存的治療も適応となる可能性が示唆された。