2020 年 40 巻 4 号 p. 581-584
症例は73歳,女性。腹痛を主訴に救急搬送され,広範囲腸管壊死と診断されたが内服していたダビガトランにより著明な凝固障害をきたしていた。緊急手術により壊死腸管切除およびハルトマン手術を施行したが,凝固障害遷延により術後出血が2日間継続した。最終的に止血が得られ,第45病日に転院となった。ダビガトランは一部の症例では血中濃度が上昇し,出血性合併症のリスクが高まるとされているが,拮抗薬投与や血液浄化療法などにより病態改善が図れる可能性があり,腹部救急に携わる医師は対処法を熟知しておく必要がある。