2025 年 45 巻 6 号 p. 573-576
上腸間膜動脈(superior mesenteric artery:以下,SMA)寒栓症は,比較的まれな疾患であるが,発症早期に特異的な所見に乏しく,死亡率が高い疾患である。今回,われわれは発症から約24時間が経過したものの,ハイブリッド手術で腸管温存し得た症例を経験したため報告する。症例は72歳の男性,X−1日に突然の腹痛を訴えるも,所見に乏しく経過観察としていたが,X日に血便を認め,造影CTでSMA塞栓症と診断しハイブリッド手術を施行した。血管造影ではSMA本幹の閉塞を認めるも,辺縁動脈を介して腸管血流は保たれていた。開腹したところ,全層壊死には至っておらず血栓回収を先行し,SMAの再開通を得た。血栓回収後,腸管の色調が改善し腸切除は行わずに手術終了,術後経過良好であった。ハイブリッド手術は,リアルタイムに治療効果を評価し不要な腸切除を避け,予後改善に寄与する可能性がある。