抄録
神経内分泌腫瘍の肝転移の治療は,手術適応,薬物療法,機能性腫瘍の症状緩和の3種類からなる。ガイドラインの基本的なスタンスは手術が可能であれば手術,非切除であれば抗腫瘍薬,機能性腫瘍であれば症状緩和療法ということである。外科切除は腫瘍をゼロにすることができる唯一の治療法であり,非常にslow glowingで再発しない可能性が高い腫瘍や再発しても切除しやすい腫瘍は良い適応である。一般的には肝機能を配慮し,90%以上の減量切除を行うことができれば,その後,RFA,TACE,抗腫瘍薬,症状緩和療法で遺残腫瘍を制御する。膵NETの抗腫瘍薬にはエベロリムス,スニチニブ,ストレプトゾシンがあり,消化管NETに対してはソマトスタチンアナログとストレプトゾシンが推奨されている。機能性腫瘍の症状緩和においては減量手術,ソマトスタチンアナログを中心に,それぞれのホルモン症状に対する対症療法を行う。近年の薬物療法の進歩に伴い,肝切除適応はますます重要な位置を担うことになることが予想される。