日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
症例報告
片葉切除後の病理検査で甲状腺濾胞腺腫と診断されたが,術後血清サイログロブリン値の経時的上昇から遠隔転移が発見された3例
川野 汐織舛岡 裕雄伊藤 康弘廣川 満良宮内 昭
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2022 年 39 巻 2 号 p. 131-137

詳細
抄録

血清サイログロブリン(Tg)値が甲状腺分化癌の全摘後における重要な腫瘍マーカーであることは周知の事実であるが,片葉切除後にも有用かどうかは明らかでない。今回,片葉切除後の病理検査で濾胞腺腫と診断され,術後いったん低下したTg値が再度急上昇したことで遠隔転移が発見された結果,濾胞癌と診断が改められた3例を報告する。3例は初回手術時64歳,57歳,75歳のいずれも女性で,手術1~4年後に抗Tg抗体陰性下でTg値が経時的に上昇した。2例に対して補完全摘および放射性ヨウ素(RAI)内用療法を施行し,1例に骨転移,もう1例には骨転移および肺転移が発見された。残る1例には胸部CTで肺転移を疑う所見が認められ,補完全摘後にRAI内用療法を施行した。濾胞腺腫の片葉切除後であってもTg値が経時的かつ指数関数的に上昇する場合には濾胞癌の遠隔再発を疑って,補完全摘およびRAI内用療法を施行すべきである。

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top