コールドチェーン研究
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アスパラガスの真空冷却と冷蔵トラックによる長距離輸送試験
岩元 睦夫河野 澄夫梅田 圭司木村 進
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1979 年 5 巻 2 号 p. 55-62

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抄録
アスパラガスの陸上輸送技術の確立を目途に,その一環として,真空冷却,包装形態および冷蔵トラックによる長距離輸送について検討し,次の結果を得た。
1. アスパラガスは,レタスやホウレン草などの葉菜類に比し,真空冷却速度は遅い。また,Prewetting処理をしなければ,冷却後のアスパラの温度むらは大きくなる傾向にあった。
2. 部位別では,切り口の温度降下が最も大きかった。切り口の温度が3℃まで低下しても,軸中心温度は6℃以上あり,特にストレッチ包装(table1のH区)においては,10℃以上であった。
3. アスパラガスの温度降下と目減りの関係は,包装形態およびPrewetting処理の有無によって異なるが,概して真空冷却中の目減り量1%に対して,約6.3℃の温度降下があった。
4. 輸送中の目減り量は,同様の包装形態であれば,航空機よりトラック輸送の方が大きかった。これは輸送期間の差に由来する。真空冷却区においては,ストレッチ包装区(H区)で最小目減り量0.6%を,また有孔ストレッチ包装区(1区)で最大目減り量2.3%を示した。
5. 輸送後のアスパラガスの弾性率を測定した結果,Prewetting処理しないで真空冷却した場合は,弾性率は,それぞれの包装形態において,無予冷却のそれより小さかった。包装形態の弾性率に及ぼす影響は明瞭ではなかったが,同様の包装形態であれば,Prewetting処理しないものより,処理したものの弾性率が大きかった。
6. 真空冷却中および輸送中における全目減り量は,有孔ストレッチ包装(1区)で最大であった。
7. ビタミンCおよび還元糖などの内容成分において,各処理の影響は明確でなかった。
8. 輸送後の官能検査の結果,輸送区すべての処理区において,市場性の限界値と定義した評点3以下の品質のものは見られなかったが,一部で行われた食味試験で,味ぬけ,軸の軟化などが指摘された。
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