コールドチェーン研究
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35mm映画によるタマネギ表皮細胞の細胞内凍結の観察
白石 真人毛利 善治山田 耕二
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1980 年 6 巻 3 号 p. 102-106

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抄録
1. タマネギの表皮細胞がフラッシングによって急速凍結していく過程を冷凍顕微鏡に取りつけた35mm映画に記録した。
2. フラッシングは正常な細胞だけでなく,細胞外凍結を起こした細胞でも起きた。
3. 氷晶核形成部位はほとんどの場合,細胞壁に近い所であったが,細胞の中央部に氷晶核形成が起きる場合もあることを見出した。
4. フラッシングは細胞内の水が瞬間的に凍結する現象であるが,細胞壁の内側の1カ所もしくは数カ所に氷晶核ができて,氷結晶が樹枝状に細胞内に拡っていく様子を観察した。
5. フラッシングの氷結前線の先端の形は凍結温度,冷却速度,細胞外凍結の程度などによってその鋭さが異ってくると考えられる。
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