9月より12月にわたり都市中央卸売市場に入荷した養液栽培トマトの品質を土耕栽培トマトと比較した。
(1) 養液栽培トマトと土耕栽培トマトの熟度や形状はほとんど差がなかったが, 土耕栽培トマトは養液栽培トマトより高く取引されていた。しかしこの価格差は栽培方法の違いによるものではなく, 土耕栽培の産地は古くから取引を行っており, 安定的に供給を行う産地が多いためとのことであった。
(2) 遊離アミノ酸は養液栽培トマトの含量が土耕栽培トマトより多い傾向がみられたが, 全糖含量, 還元糖含量, アスコルビン酸含量, 滴定酸含量, pH, Brixなどは両トマト間にほとんど差がみられなかった。
(3) 色合い, 香り, 甘味, 酸味, 肉質, 総合的な好みについて5段階で評価した官能検査においても両トマトの差はほとんど認められなかった。