日本食品低温保蔵学会誌
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乳酸発酵おからの貯蔵性と成分変化
竹中 哲夫越後 多嘉志
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1992 年 18 巻 3 号 p. 112-115

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抄録
おからに乾燥乳酸菌 (L. plantarum, L. acidophilus, S. faecalis) を添加し乳酸菌発酵を行い, おからの貯蔵性を向上させる方法について検討を加えた。さらに貯蔵中における, おからの成分変化についても調べた。
1) おからに乳酸菌を107/g接種, 嫌気条件下で30~37℃貯蔵し, 30日後でも腐敗は無く, 貯蔵性は著しく向上した。
なお, pHの低下, 乳酸菌の増加の点からLactobacillus plantarumが最も優れていた。
2) 貯蔵中におからの成分組成に変化が見られた。すなわち, 粗脂肪, 遊離脂肪酸, セルロースの減少, 遊離アミノ酸, 無機リンの増加が生じた。
これらの結果から, 乳酸菌発酵によりおからの貯蔵性は著しく増大し, その成分組成も変化していることが明らかとなった。
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