抄録
“太陽” スモモを3, 10, 20及び30℃に30日間貯蔵して, その生理化学的変化を調べた。
(1) 果実の呼吸量は貯蔵温度が高くなるのに伴い増大したが, その量は少なく, わずかながらクライマクテリックライズも観察された。
(2) 外観色は10℃の変化が量も大きく, L, a, b値いずれも低下し, 貯蔵後は赤黒色を呈した。3℃と30℃の外額色は変化が少なかった。
(3) 果実は軟化したが, 10℃が最も激しく, 他の温度ではその程度は小さく, 温度間の差もなかった。
(4) 糖組成は, 収穫期に比較して10℃のスクロース含量が高く, 組成比も他に比較して最も高かった。また, 遊離アミノ酸は3℃では増加し, 10℃では減少した。
(5) 30日貯蔵後の官能品質は, 10℃<30℃<20℃<3℃の順序で, 10℃と30℃の商品価値はなかった。
なお, 本研究の概要は日本食品低温保蔵学会第32回大会 (1990年9月, 大阪) で発表した。