日本食品保蔵科学会誌
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青果物の簡易型スポット保冷装置による品質保持
堀田 博名和 義彦佐藤 和憲石谷 孝佑内海 昭籠山 宏伊瀬 哲也名取 寛岡田 秀美
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1997 年 23 巻 1 号 p. 15-20

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抄録
生産地から消費地までの青果物の流通経路の中で市場や集出荷施設の荷さばき場は低温化されていないためコールドチェーンが途切れてします。そこで, 荷さばき機能を妨げず, 実用的な温度 (16-17℃) で青果物の一時保管を行うことのできる垂直稼働式の簡易型スポット保冷装置を試作・設置した。
この保冷装置を使い, 夏期に品質変化しやすい野菜の品質保持効果の確認試験を行った結果荷が市場に到着して翌日出荷までの最長の一時保管と仮定した約30時間まで青果物の品質保持が可能であった。
また, 6-10時間の滞留時間 (当日出荷) 中に, 装置内貯蔵した物と外部放置した物の間に外観上の変化はないが品質劣化の先行指標であるL-アスコルビン酸含量の減少が外部放置した物に見られた。即ち, 品質劣化が始まっているのが確認され本保冷装置での貯蔵は短期間でも品質保持に効果があることが明らかとなった。
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