日本食品保蔵科学会誌
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23 巻, 1 号
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  • 茨木 俊行, 池田 浩暢, 太田 英明
    1997 年23 巻1 号 p. 3-7
    発行日: 1997/01/25
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    葉ネギのMA貯蔵に適した雰囲気ガス条件を得るため, 15℃の環境下において種々のガス濃度組成が呼吸速度, 成分および鮮度保持力に及ぼす影響を検討した。
    二酸化炭素排出速度は, 大気下の葉ネギでは111mgCO2/ kg/ hrであったが酸素濃度の低下 (二酸化炭素濃度の上昇) とともに減少した。大気下や, 酸素濃度が高く, 二酸化炭素濃度が低い雰囲気下のものではアスコルビン酸含量, 全糖含量およびグロロフィル含量は経時的に減少した。しかしながら, 酸素濃度と二酸化炭素濃度がそれぞれ7.6と4.1%のものではこれらの成分の低下は認められなかった。葉先枯れも酸素濃度が低いほど抑制できた。葉ネギの鮮度を保つには酸素と二酸化炭素の濃度をそれぞれ7.6%と12.6%から4.1%と17.1%に保つと良いと考えられた。
  • 深井 洋一, 唐沢 秀行
    1997 年23 巻1 号 p. 9-14
    発行日: 1997/01/25
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    脂肪酸分析用蛍光試薬ADAM (9一アンスリルジアゾメタン) を利用し, 玄米および精米の貯蔵中における遊離脂肪酸の変化をHPLCにより, 経時的に定量した。
    玄米および精米の主要脂肪酸は, リノール酸, オレイン酸, パルミチル酸であり, 貯蔵に伴い増加した。その増加程度は, 玄米と比べて精米が顕著であり, 高温貯蔵ほど増加する傾向が認められた。
    玄米 (8カ月後) および精米 (90日後) の貯蔵最終試料について, ADAMを用いるHPLC法と従来法の酸価との測定値の相関を検討した。その結果相関係数値は玄米および精米それぞれ0.876, 0.991であり, 危険率1%で有意な相関を認めた。
    ADAMを利用したHPLC法によって, 玄米および精米の貯蔵に伴う遊離脂肪酸の変化を, 迅速に同定定量できる可能性が示唆された。
    玄米および精米の品質保持には低温保管が必要不可欠と考えられた。
  • 堀田 博, 名和 義彦, 佐藤 和憲, 石谷 孝佑, 内海 昭, 籠山 宏, 伊瀬 哲也, 名取 寛, 岡田 秀美
    1997 年23 巻1 号 p. 15-20
    発行日: 1997/01/25
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    生産地から消費地までの青果物の流通経路の中で市場や集出荷施設の荷さばき場は低温化されていないためコールドチェーンが途切れてします。そこで, 荷さばき機能を妨げず, 実用的な温度 (16-17℃) で青果物の一時保管を行うことのできる垂直稼働式の簡易型スポット保冷装置を試作・設置した。
    この保冷装置を使い, 夏期に品質変化しやすい野菜の品質保持効果の確認試験を行った結果荷が市場に到着して翌日出荷までの最長の一時保管と仮定した約30時間まで青果物の品質保持が可能であった。
    また, 6-10時間の滞留時間 (当日出荷) 中に, 装置内貯蔵した物と外部放置した物の間に外観上の変化はないが品質劣化の先行指標であるL-アスコルビン酸含量の減少が外部放置した物に見られた。即ち, 品質劣化が始まっているのが確認され本保冷装置での貯蔵は短期間でも品質保持に効果があることが明らかとなった。
  • 野口 智弘, 村木 紀之, 高野 克己, 鴨居 郁三
    1997 年23 巻1 号 p. 21-26
    発行日: 1997/01/25
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    トリプシンおよびキモトリプシンの低温における活性は, 2-プロパノールやエタノール添加によって増加した。特に2-プロパノール添加では40℃付近で活性が低下したのに対し, 10℃付近の低温域では活性が増加し, また2一プロパノール添加によって温度依存性の低下がみられた。
    また, 酵素表面の疎水性は2-プロパノール添加によって増加し酵素の表面構造に変化が生じたことが示唆さ礼2一プロパノールが酵素タンパク質の構造を変化させることにより, 低温における活性の賦活効果を示すものと思われる。
  • 野菜の加工および保存技術の開発に関する研究 (II)
    林 欣榜, 張 湘文, 劉 淑美
    1997 年23 巻1 号 p. 27-33
    発行日: 1997/01/25
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    白菜の軽度加工および保存技術の開発について検討し, つぎの結果を得た。
    (1) 白菜は真空処理, 真空包装, 低温貯蔵などの処理によって6週間以上保存することが可能になった。
    (2) 貯蔵寿命に影響を与える品質因子は総菌数, 乳酸菌, pH, 総酸度, ビタミンC, 色調 (L, a, b) および緑色指標 (a/b) であった。
    (3) 18℃では1週間の貯蔵で, その総菌数および乳酸菌数は108CFU/9を越し, 5℃で6週間および-18℃で16週間後の総菌数および乳酸菌数は共に106CFU/9と少なかった。
    (4) 5℃および-18℃で6週間貯蔵した軽度加工白菜は, 炒め後の官能評価は, 5℃より-18℃貯蔵の方が良い評価が得られた。
  • 辻村 卓, 荒井 京子, 小松原 晴美, 笠井 孝正
    1997 年23 巻1 号 p. 35-40
    発行日: 1997/01/25
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    冷凍あるいは凍結乾燥処理を施した食品中のビタミンおよびミネラルについて実験した。
    いも2種類野菜11種類を実験試料とした。適当な大きさに切断した試料をブランチング処理後, これらに冷凍および凍結乾燥処理を施し, 以後12カ月間にわたり水分, カロチン, B1, B2, ナイアシン, ビタミンCについて分析を行い, 冷凍および凍結乾燥後の冷蔵保存が各試料中の栄養成分の残存とどのような関係になるかを検討した。
    (1) ブランチング処理試料についてはカロチン, B1, ビタミンCについて分析を施した。西洋かぼちゃは新鮮試料と比較してB125%, ビタミンC30%を減少させた。しゅんぎくはB115%, ビタミンC30%を失った。カロチンは一定量を示した。
    (2) 12ヵ月間-24℃に保存した冷凍試料の場合, 水分は変動がない。カロチン含有量が減少したものはさつまいも, チンゲンツァイ, わらびなどであった。 B1, B2, ナイアシンは分析の結果減少を認めなかった。ビタミンCはえんどう (グリーンピース), しゅんぎくで減少した。
    (3) 12ヵ月間冷蔵庫中に保存した凍結乾燥試料の場合, 水分の変動はなかった。カロチン含有量はアスパラガス, さやえんどう, 西洋かぼちゃ, キャベツ, しゅんぎく, チンゲンツァイ, にんじん, わらびなどで減少した。B1, B2, ナイアシンでは減少を認めなかった。ビタミンCはアスパラガス, さやえんどう, キャベツで減少を認めた。
    本実験の研究費の一部はビタミンC研究委員会からの援助によるものである。
  • 矢野 信禮
    1997 年23 巻1 号 p. 41-49
    発行日: 1997/01/25
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    1997 年23 巻1 号 p. 51-53
    発行日: 1997/01/25
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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