日本食品保蔵科学会誌
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夏季収穫キャベツにおける貯蔵中の部位別成分変化および貯蔵温度, フィルム包装が晶質保持に及ぼす影響
永井 耕介福嶋 昭小河 拓也松浦 克彦中川 勝也
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1998 年 24 巻 1 号 p. 11-16

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抄録
夏季収穫キャベツの部位別成分に及ぼす貯蔵温度の影響を調査するとともに呼吸特性・鮮度保持期間について検討した。
1. 貯蔵温度が高いほど全糖含量の減少は著しかった。20℃では全ての部位で減少がみられたが, 5℃では外葉部での減少もわずかであった。
2. ショ糖/全糖割合における貯蔵温度別の減少パターンは中心部と外葉部とでは異なっていた。中心部ではどの温度でも変化は少なく, 外葉部では15℃, 20℃で減少がみられた。
3. ビタミンCは全ての部位で貯蔵温度が高いほど減少した。外葉部での減少が著しいので, 外葉部のビタミンC含量を測定することにより貯蔵中のビタミンC含量の変化をより明確にできることがわかった。
4. 収穫後の呼吸量は低温で減少し, 同じ保存温度でその後漸減した。収穫直後の1/2カット形態はホール (無カット) 形態よりも呼吸量は多いが1週間後では両形態ともほぼ同量の呼吸量に減少した。
5. 夏季高温時収穫のキャベツは5℃貯蔵条件とフィルム包装 (LDPE30μm) を組み合わせることにより, ホール形態では2週間程度, 1/2カット形態でも5~7日間高鮮度を保持することが可能である。
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