抄録
梅シロップを5℃, 15℃及び25℃の温度別に, 6ヶ月と12ヶ月の時間別に貯蔵した後, 品質が劣化する結果を得た。シロップのPHは変わらないが滴定酸や有機酸及び遊離アミノ酸の総量はやや減少し, そして, 12ヶ月貯蔵した場合, シロップ内のスクロースは全部フルクトースと, グルコースに変わった。総スクロース量はシロップの褐色化につれて減少し, フェノール物質, クロロゲン酸とカテキン (CATECHIN) の量は, 貯蔵と共に減少していった。総スクロースの変化率と5-ヒドロキシメチールフルフラール (HMF) はキャラメルの中間物質で, 貯蔵したシロップの中で見つけられている。貯蔵期間中に於ける糖分及びフェノール化台物の動力学的係数は減少した。砂糖を添加した梅シロップの褐変は, フェノール化合物の酸化と糖分のキャラメル化の, 相互作用にあったことが認められる。