日本食品保蔵科学会誌
Online ISSN : 2186-1277
Print ISSN : 1344-1213
ISSN-L : 1344-1213
ゴーダチーズ並びにチェダーチーズを2層に積層して熟成させた複合型チーズのテクスチャーについて
岡崎 良生加藤 勲
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 25 巻 2 号 p. 51-55

詳細
抄録
一般的にチーズは, それぞれのチーズが特有な製法で製造されており, その結果その品種に特有な組織および芳香を持ったチーズが出来上がる。著者らは, ゴーダチーズ製造行程の中で, ホエー排除以降を2つの工程に分けた。すなわち, 1つをゴーダチーズ工程へ, 他をチェダーチーズ工程へと移行させ, 熟成前に2種類のカードを混合することなく重ね合わせて複合型 (ゴーダ側とチェダー側) チーズに形成し, 単独で製造したチーズとの相違を追求している。本稿では, この2種類の硬質系チーズの製法を重ね合わせて製造した複合型チーズの物性の相違を調べる目的でレオメーターを使用して切断試験の強度, 切断強度および切断エネルギーの測定を行った。切断試験の各項目は, 熟成の進行と共に減少した。また, 複合型チーズの両側チーズは, 各コントロールチーズと比較して熟成60日目から120日目において有意 (P<0.05) を示す試験項目が増加し, 複合型チーズとして熟成させた為に特有な発酵過程をたどることによって単独で製造したチーズと相違する物性を示すことが分かった。
著者関連情報
© 日本食品保蔵科学会/学術著作権協会
前の記事 次の記事
feedback
Top