日本食品保蔵科学会誌
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25 巻, 2 号
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  • 譚 新平, 上田 悦範, 茶珍 和雄
    1999 年25 巻2 号 p. 39-46
    発行日: 1999/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ツルレイシ果実の発育中ならびに貯蔵中の成熟(追熟)について,呼吸,エチレン,硬度,ペクチン質,ペクチン分解酵素の活性などについて調べ,その成熟生理の特徴や肉質の変化などを検討した。
    (1) 果実の硬度は発育に伴い低下し,果実が熟すると急速に低下した。包装貯蔵中における果実硬度は貯蔵温度の高い方が速く低下した。
    (2) 呼吸量は未熟段階では変化が小さく,成熟段階では上昇し,クライマクテリックライズを示した。貯蔵中の包装内の二酸化炭素の濃度は温度が高いほど上昇が早かった。
    (3) 発育中の各段階の果実はエチレン生成量が少なく,特に,収穫適期の熟度Cではエチレン生成量は非常に少なく,成熟段階では上昇した。貯蔵中の包装内のエチレン濃度は温度が高いほど上昇の時期は早く,1℃ではエチレンはほとんど検出できなかった。
    (4) 水溶性ペクチンは果実の発育に伴い増加し,果実が熟すると著しく増加した。逆に,塩酸可溶性ペクチンは果実の発育に伴い減少した。包装貯蔵中の水溶性ペクチンは貯蔵温度の高い方が増加し,塩酸可溶性ペクチンは貯蔵温度の高い方が減少した。
    (5) 果実の発育と成熟に伴うペクチン分解酵素のうち,ペクチンエステラーゼ(PE)活性は変化が小さかった。ポリガラクツロナーゼ(PG)活性は未熟の段階では低かったが果実が成熟すると速く上昇した。貯蔵中のPE活性はいずれの温度においてもほぼ一定で,PG活性は温度の高い方が増加した。
  • 養液栽培の培養液制御が生育・品質に及ぼす影響に関する研究(第3報)
    阿部 一博, 麻田 佳江, 和田 光生, 平井 宏昭, 島 昭二, 黒岡 浩
    1999 年25 巻2 号 p. 47-49
    発行日: 1999/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本研究は, 香辛野菜の養液栽培における鉄 (Fe-EDTA) 多量施与の影響を調べたものである。
    香辛野菜の養液栽培では, 植物の生育に必要な微量成分である鉄を多量施与 (最終添加濃度0.296g/l) すると, シソ, スイートバジル, セージ, ヒソップ, ミツバでは生育が阻害された。ペパーミントも生育が遅れ, 収穫量が減少したが, 単位生体重あたりの化学成分の含量が多くなることが明らかとなった。
  • 岡崎 良生, 加藤 勲
    1999 年25 巻2 号 p. 51-55
    発行日: 1999/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    一般的にチーズは, それぞれのチーズが特有な製法で製造されており, その結果その品種に特有な組織および芳香を持ったチーズが出来上がる。著者らは, ゴーダチーズ製造行程の中で, ホエー排除以降を2つの工程に分けた。すなわち, 1つをゴーダチーズ工程へ, 他をチェダーチーズ工程へと移行させ, 熟成前に2種類のカードを混合することなく重ね合わせて複合型 (ゴーダ側とチェダー側) チーズに形成し, 単独で製造したチーズとの相違を追求している。本稿では, この2種類の硬質系チーズの製法を重ね合わせて製造した複合型チーズの物性の相違を調べる目的でレオメーターを使用して切断試験の強度, 切断強度および切断エネルギーの測定を行った。切断試験の各項目は, 熟成の進行と共に減少した。また, 複合型チーズの両側チーズは, 各コントロールチーズと比較して熟成60日目から120日目において有意 (P<0.05) を示す試験項目が増加し, 複合型チーズとして熟成させた為に特有な発酵過程をたどることによって単独で製造したチーズと相違する物性を示すことが分かった。
  • 呉 明昌, 陳 啓宏, 陳 金樹
    1999 年25 巻2 号 p. 57-61
    発行日: 1999/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    バンレイシ果実を26℃, 21℃及び16℃で貯蔵したところ, それぞれ追熟が進行したが, その可溶性固形物量の変化を測定すると, 一時的な増加が見られ, 一定の高い量を保ってから減少する傾向であった。果実の追熟が進むにつれ, ブドウ糖, 果糖およびショ糖などの糖分が増加した。26℃および21℃で貯蔵した果実は, 澱粉が完全に糖化していたために, 全糖含量は16℃に比べて高かった。さらにアミラーゼの活性を測定したが21℃で貯蔵した果実のアミラーゼ活性は最も高かった。
  • ワサナナ ファン, 川田 和秀, 松井 年行, 楠 正人
    1999 年25 巻2 号 p. 63-68
    発行日: 1999/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    JA三木町管内の農家のハウスにおいて, 夜冷育苗後9月定植した “女峰” イチゴにCa剤葉面散布を行った。処理剤は塩化Ca (2000ppm Ca), 有機キレートCa液剤 (200ppm Ca, 大塚化学), 有機キレートCa液剤にホウ酸を12.5ppm添加した液剤 (大塚化学, “カルハード”), さらに有機キレート剤であるカルボン酸 (150ppm) の影響を調査するため植物から抽出したカルボン酸単独の区を設定した。またすべての区に展着剤 (0.1%tween-20) を添加した。対照区は水道水に展着剤のみを添加した。手散布機で10a当たり200literを週1回, 花落ちから収穫前に3~4回果実を主に植物体全体に1週間間隔で散布した。
    収穫前のCa散布の効果が認められた。収穫時の果実硬度を高め, 呼吸量を減らし鮮度保持を向上させた。20℃貯蔵2日において健全果率が高く, 痛み果と腐敗果が対照区に比べて低かった。成分分析の結果果汁の滴定酸・可溶性固形物含量, 果肉の糖含量及び果皮色には処理間に有意な差は見られなかったが果肉のアスコルビン酸含量は散布区の方が有意に多く, この差は20℃貯蔵2日でも持続していた。有機キレートCa液剤 (200ppm Ca) は, ホウ酸の添加の有無にかかわらずCa濃度が1/10でも塩化Ca (2000ppm Ca) 同等の効果があった。カルボン酸 (有機キレート剤) 単独使用は効果が認められなかった。
  • 泉 秀実
    1999 年25 巻2 号 p. 69-80
    発行日: 1999/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    1999 年25 巻2 号 p. 81-83
    発行日: 1999/03/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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