大豆食品の味を改善するために, 大豆中の不快な苦味の主成分である大豆サポニンに及ぼす乳酸菌の発酵作用について検討した。211株の乳酸菌について大豆サポニン分解活性を調べ, そのうちの20株が大豆サポニンを炭素源として酸生成を示す菌株として選抜された。これらの菌株の大豆サポニンBbの分解率は3-72%の範囲であり, Lactobacillus casei subsp. casei IFO 3953が最もよく分解した。本菌の菌体懸濁液ならびに無細胞抽出液における分解活性はpH5.0, 50℃で最も高く, 大豆サポニンのグルクロナイド結合部位の開裂によるアグリコンが検出されたことから, β-グルクロニターゼの作用によるものと判定された。