日本食品保蔵科学会誌
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25 巻, 3 号
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  • 藤田 修二, 隈本 みどり, 尊田 民喜, 山本 周人, 林 信行, 石丸 幹二
    1999 年 25 巻 3 号 p. 99-104
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ニホンナシおよびウンシュウミカンの摘果幼果の有効利用を目的として, 幼果抽出液のポリフェノール (PP) 含量とその抗酸化活性について追究した。
    ニホンナシ幼果中には, 新鮮果重100g当り, 全量として590mgのPPが検出さ礼そのうちクロロゲン酸類が165mg (全PPの28%), カテキン類が88mg (同15%) であり, 両者で全PPの40%以上を占めた。クロロゲン酸, カテキンなどのPP類は, 程度の差はあるがいずれもリノール酸の酸化に対して抗酸活化活性を示した。
    ニホンナシ幼果抽出液は高い抗酸化活性を示し, クロロゲン酸として0.25mMの濃度で少なくとも50日間リノール酸の酸化をほぼ完全に抑制した。また, ウンシュウミカン幼果の抽出液も多量のPPを含み, ニホンナシ幼果と同様に抗酸化活性を示すことが認められた。
    以上の結果から, ニホンナシ及びウンシュウミカン幼果に含まれる抗酸化物質の本体はカテキン類やクPロゲン酸類等のPPであることが示唆された。これらの結果はニホンナシおよびウンシュウミカンの摘果幼果が天然の抗酸化剤の原料として有効利用できることを示唆する。
  • 化学構造と抗かび牲に関する研究 (第4報)
    深田 剛毅, 北村 章, 高橋 邦治, 鳥井 昭美, 鎌田 吉之助, 米光 直志, 田代 昌士, 又賀 駿太郎
    1999 年 25 巻 3 号 p. 105-110
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    アクリジンの9位置換直鎖アルキル基の炭素鎖数 [アクリジン (C0) (1) -9-n-オクチルアクリジン (C8) (9)] と抗かび作用 [初期効力 (IS) と持続作用 (DF) で評価] 間の相関性を3pH領域 (pH3.7, 5.2, 7.0) で検討した。その結果, 明確な規則性をもつ相関関係は認められなかったが, 任意の各pH領域には効力をより効果的に与える至適炭素鎖数の存在が以下のように示唆された。
    IS;pH3.7 : C7 (8) >C6 (7), C5 (6) >C8 (9), C4 (5) >C0 (1), C1 (2), C2 (3), C3 (4)
    pH5.2 : C0 (1) >C4 (5) >C5 (6) >C3 (4) >C7 (8), C1 (2) >C2 (3) >C8 (9) >C6 (7) pH7.0 : C0 (1) >C1 (2) >C4 (5) >C3 (4) >C5 (6) >C6 (7) >C7 (8) >C8 (9) >C2 (3)
    DF;pH3.7 : C7 (8) >C5 (6) >C6 (7) >C4 (5) >C8 (9) >C1 (2) >C0 (1) >C2 (3), C3 (4)
    pH5.2;C4 (5) >C5 (6) >C7 (8) >C6 (7) >C8 (9) >C3 (4) >C0 (1) >C1 (2) >C2 (3)
    pH7.0 : C7 (8) >C6 (7) >C8 (9) >C5 (6) >C1 (2) >C0 (1) >C2 (3), C3 (4), C4 (5)
    すなわち, ISによる抗かび作用の評価では特にに強酸性領域 (pH3.7) で, リポイド可溶性 (疎水性) 増加の予測される炭素鎖数増加にともなった効力増強現象が確認された。弱酸性領域 (pH5.2) と中性領域 (pH7.0) ではC0の無置換アクリジン (1) の効力が最強であったものの, 一部の炭素鎖数間で炭素鎖数増加にともなった効力減少または増強現象が認められた。また, 強酸性領域よりも中性, 弱酸性領域に, より強い作用が現れることがわかった。一方DFによる抗かび作用の評価では炭素鎖導入効果が認められた。特に中性領域ではC0からC7までは炭素鎖数増加にともなった効力増加現象が確認され, 強酸性と弱酸性領域ではC5-C8の炭素鎖数間で奇数個の置換基ごとに相対的に高いDFが認められることがわかった。また, 中性, 弱酸性領域よりも強酸性領域において高いDFが現れることもわかった。
  • 宮本 拓, 三木 隆司, 片岡 啓, 吉城 由美子, 大久保 一良, 米屋 武文
    1999 年 25 巻 3 号 p. 111-116
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    大豆食品の味を改善するために, 大豆中の不快な苦味の主成分である大豆サポニンに及ぼす乳酸菌の発酵作用について検討した。211株の乳酸菌について大豆サポニン分解活性を調べ, そのうちの20株が大豆サポニンを炭素源として酸生成を示す菌株として選抜された。これらの菌株の大豆サポニンBbの分解率は3-72%の範囲であり, Lactobacillus casei subsp. casei IFO 3953が最もよく分解した。本菌の菌体懸濁液ならびに無細胞抽出液における分解活性はpH5.0, 50℃で最も高く, 大豆サポニンのグルクロナイド結合部位の開裂によるアグリコンが検出されたことから, β-グルクロニターゼの作用によるものと判定された。
  • 壇 和弘, 永田 雅靖, 山下 市二
    1999 年 25 巻 3 号 p. 117-120
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    コマツナ, ブロッコリー, カリフラワー, キャベツを酸素濃度0.5%, 1%, 4%, 7%および空気下に20℃で保存し, メタンチオールおよびジメチルジスルフィドの発生と組織切片からの電解質漏出程度を測定した。酸素濃度0.5%環境下に保存したコマツナ, ブロッコリー, カリフラワーでは24時間以内に, キャベツでは48時間以内にメタンチオールおよびジメチルジスルフィドの発生が確認された。この時, 組織切片からの電解質漏出程度は空気下保存区と比較して明らかに増加した。また, 酸素濃度1%環境下に保存したコマツナでは48時間以内にメタンチオールおよびジメチルジスルフィドの発生が確認された。一方, 酸素濃度4%, 7%および空気下では全ての作物において含硫揮発性成分の発生は認められず, 組織切片からの電解質漏出程度も変化しなかった。
  • 太田 英明
    1999 年 25 巻 3 号 p. 121-129
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    1999 年 25 巻 3 号 p. 131-133
    発行日: 1999/06/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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