抄録
粘性が高く,生菌数の少ないヤマノイモ調味品を開発するために,高圧処理とアリルイソチオシアネートの添加がヤマノイモ調味品の品質に及ぼす影響を検討した。
1.80℃以上の温湯処理は,ヤマノイモの粘性を著しく低下させた。粘性が低下しない温度帯では生菌数は減少しなかった。
2.AITの添加量に比例して生菌数の減少効果が高くなった。生菌数の減少効果はAIT 0.005 me/100gで認められた。0.02謡/1009以下のAIT添加では色調変化はほとんどみられなかった。
3.高圧処理条件は400MPaよりも700MPaの方が生菌数の減少効果は大きかった。さらに,高圧処理とAIT添加を組み合わせることにより生菌数の減少効果は一層高まった。
4.高圧処理による粘性の変化はほとんどみられなかったが,700MPa、50℃処理でヤマノイモ調味品の粘性低下がみられた。色調のb値(黄色度)の変化は700MPa処理でみられた。700MPa、20℃または700MPa、50℃でb値は若干低下した。