日本食品保蔵科学会誌
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ニンジンの品種の違いによる凍結および凍結貯蔵における成分変化と食味について
高橋 敦子奥嶋 佐知子児玉 ひろみ吉田 企世子
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2001 年 27 巻 3 号 p. 119-132

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抄録
ニンジンの品種の違いと凍結および凍結貯蔵により成分の変化がどのように異なるのか測定し, その成績から食味に影響を与える要因の検討を試みた。
(1) 水分含量, カルシウム以外のミネラル含量は食味, テクスチャーにかかわりなっかた。
(2) β-カロテン含量は外観に影響あるので, 沖縄系のように黄色では, 好まれなかった。
(3) 凍結処理によって, ペクチン総量が減少し, その上含有量の少ないものは柔らかく, さらに, WP量が減少し, その割合が小さいものである沖縄系, インペレータ系, は官能検査では好まれなかった。
(4) 凍結処理で官能検査が良い成績であったダンバース系はペクチン量が多く, 細胞壁の硬さの値も高く, 凍結処理に適している。
(5)凍結処理で硬いチャンテネー系, ロングオレンジ系はペクチンの組成がWP : PP : HPが同程度で, 細胞壁もしっかりして, 凍結処理に適している。
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