日本食品保蔵科学会誌
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高圧処理を利用した大豆タンパク質添加ハイブリッドソーセージの製造について
鈴木 敏郎多田 耕太郎
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2003 年 29 巻 2 号 p. 111-116

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抄録
加圧処理を利用して, 大豆タンパクを添加した低塩濃度ハイブリッドソーセージの開発を目指し, 加圧量 (0-500MPa), 塩濃度 (0, 1.0, 2.5%), 大豆タンパク添加量 (10~40%) 等を変えて試験を行った。大豆タンパク添加量が増加すると保水率は加圧処理の有無に関係なく増加したが, ゲル強度およびワークダン値は大豆タンパク添加量が増加するに従い直線的に減少した。加圧効果は1%食塩添加の試料に200MPaの圧力処理を行うと顕著に現れ, 無加圧のものに比べて明らかにその値は高くなり, そのゲル強度とワークダン値は2.5%食塩添加の加圧区, 無加圧区とほぼ同じ値となった。また, NEMを添加すると, 1%食塩添加加圧区のゲル形成が著しく阻害されたことより, 大豆タンパク添加ハイブリッドソーセージのゲル形成に加圧処理により増加したSH基のS-S交換反応が重要な役割を演じていることが明らかになった。また, 200MPaで加圧処理を行った10%大豆タンパク添加ハイブリッドソーセージは, 通常の塩濃度 (2.5%) のポークソーセージと官能評価においても遜色のないものであり, 低塩濃度ハイブリッドソーセージの製造に200MPa程度の圧力処理が非常に有効な技術であることが明らかになった。
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