抄録
Mycelia sterilia M1株による廃糖蜜の脱色反応過程における糖蜜色素とポリフェノール類の消長をゲルクロマトグラフィーにより調べた。その結果, 糖蜜色素とポリフェノール類のゲルクロマトグラムのピークはよく一致し, 両者とも分子量11,800以上の高分子画分と5,900以下の低分子画分に主要ピークが確認された。M. sterilia M1株を10%濃度の廃糖蜜溶液で10日間培養した場合, 糖蜜色素の80%が脱色され, またポリフェノール類は95%除去された。ゲルクロマトグラフィーにより脱色処理前後の糖蜜色素とポリフェノール類の変化を調べた結果, 脱色率およびポリフェノール除去率の上昇に伴って糖蜜色素およびポリフェノール類のゲルクロマトグラムのピーク面積は低分子画分と高分子画分とも減少することが確認された。