(1) 本測定におけるバナジウムの検量線は良好な直線性を示した。
(2) ICP-MS法でのバナジウム測定では, 塩化物イオンの妨害が問題となるが, 塩化物イオン濃度を1mg/l-100mg/lの範囲で添加し回収試験を行った結果, いずれの濃度においても良好な回収率が得られ, ICP-MS法の測定における塩化物イオンの妨害はないことが確認された。
(3) 市販ミネラルウォーター類のバナジウム濃度は, 既存の地下水および湧水の報告例と同様な結果となり, 玄武岩質に富んだ富士山麓地域を採水地としたミネラルウォーターには高い濃度 (平均値0.059mg/l) のバナジウムが測定された。
(4) 輸入製品中において, 富士山麓周辺を採水地とした製品と同様に, バナジウム濃度の高いミネラルウォーター類があった。