抄録
ウシラクトフェリン (bLF) の細菌増殖抑制作用における菌体表層のマイナス荷電物質であるリポテイコ酸 (LTA) 添加の影響を検討した。鉄不飽和および鉄飽和bLF (apo-bLFおよびFe-bLF) によるクロストリジウム菌18菌株の菌体凝集を観察したところ, apo-bLFおよびFe-bLFのクロストリジウム菌の凝集は, 菌体表層のマイナス荷電の程度と高い相関性を示した。bLFによるC. perfringens JCM1290の菌体凝集は, LTAの添加濃度の増加に伴って減少した。同様にbLFの増殖抑制作用も低下した。bLFによるC. perfringens JCM1290の増殖抑制作用は, 菌体の凝集と密接に関係していた。bLFの細菌増殖抑制作用は, bLFと細菌表層の直接的な相互作用が必要であることが示唆された。