日本食品保蔵科学会誌
Online ISSN : 2186-1277
Print ISSN : 1344-1213
ISSN-L : 1344-1213
低温性酵母 Cystofilobasidium capitatum由来アルドラーゼの一次構造とその発現制御
藤村 朱喜内野 昌孝伊藤 尚志妙田 貴生長岡 俊紀宮地 竜郎中川 智行高野 克己冨塚 登
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 33 巻 1 号 p. 9-13

詳細
抄録
本研究では, 低温性ペクチン資化性酵母Cystofilobasidium capitatum由来アルドラーゼの一次構造とその発現制御について解析を行った。C. capitatumのアルドラーゼをコードする遺伝子FBAlは360アミノ酸残基をコードしうるORFからなり, その遺伝子産物CcFba1Pはアルドラーゼに特有の保存配列を保持しており, 推定分子量は39,626Daであった。一方, FBAlはグルコースにより若干の高発現がみられるものの, 炭素源や温度, 酸素濃度にはほとんど影響されなかった。さらに, FBAlは定常期において発現の低下がみられるものの, 誘導期および対数増殖期においては安定した発現が観察された。これらの結果から, FBAlC. capitatumにおいて構成的に発現されるハウスキーピング遺伝子の一つであり, 本遺伝子が食品中におけるこれら低温性酵母の検出の指標に用いることができる可能性を示した。
著者関連情報
© 日本食品保蔵科学会/学術著作権協会
前の記事 次の記事
feedback
Top