抄録
A.aculeatusの生産するβ一マンノシダーゼをフスマを炭素源とした培養上清より硫安沈澱DEAF-Sephadex A-50, Sephacryl S-200および等電点電気泳動のカラムクロマトにより精製を行った結果,電気泳動的に単一な精製酵素を31%の回収率で得た.本酵素の分子量はSDS-PAGEで130,000と算出され,等電点はpH 4.0であった.酵素はpH 4~7の範囲で安定であり,50℃ 以下で安定であった.また至適pHおよび至適温度はpH 2および70℃ であり,他の報告されている微生物由来のゲマンノシダーゼと大きく異なっていた.一方,本酵素は各種β-マンナンを加水分解できず,p-ニトロフェニノレβ-D-マンノピラノシドおよびマンノオリゴ糖に対してのみ高い特異性を示した.