本稿の目的は,日本における多くの英語授業で観察される,「教師のあとについて英語を言う」活動,および,それに続く練習に,教育言語人類学の視点から光を当てることである.本稿では,上記のような活動を「メタ言語的な言語使用」として捉え,教室における相互行為の特に「詩的」な側面から,対象言語(学ぶ対象)としての英語がコミュニケーションの中で焦点化され,具体性を帯びるプロセスを明らかにする.また,そのようなメタ言語的言語使用に関与する他のメタ語用的統制をメタ・コミュニケーションの観点から同定することによって,英語授業の「創造性」を描出し,そのことを通じて,英語教育が結果としてもたらし得る「メタ言語社会化」を指摘する.