先端医療を担う大規模病院はIT化が進んだこともあり,電源なしでは検査も手術もできないといってよい.しかし医療機関における電源の用途は多岐に亘り,要求事項も用途別に異なる.求められる容量や安定性,停電時のバックアップや使用状況監視の必要性などを考えた場合,用途別に分けて供給する必要があると考える.特に,医療機関がIT化時代を迎えた今,医療機器用電源とコンピュータ用の電源は完全に分離すべきであり,ユーザに対する教育も重要である.在宅医療における電源環境整備も望まれる.ここでは医療機関における電源の用途別分類とそれぞれに必要とされる要求事項,使用上の注意点,非常電源について解説する.