抄録
患者個人を遠隔地から診察する遠隔医療(テレケア)が普及しない一因に,医療者にとってテレケアで何が観察可能で,どのような機器を集めればよいのか不明瞭なことが挙げられる.エンジニア側にとっても,どのような構成要素のシステムを提案すればよいのか不明確である.そこでIPテレビ電話と市販で容易に入手可能な生体センサのデータ送信システムを組み合わせたテレケアシステムを構築し,その実用実験に参加した総合内科系3名の医師によるコンセンサス・カンファレンスから,頻度の高い33疾患と17兆候についてテレケアの適用の可否と備えるべき生体センサの種類について初診時と再診時に分けてリストを作成した.その結果,多くの疾患・病態でテレビ電話と生体センサによるモニタリングの両者か一方で再診の診療が可能と考えられた.再診患者のフォローアップ中に発生する新たな疾患・病態に対してもテレビ電話による問診などでスクリーニングが可能なものがあると考えられた.