医学検査
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AFP低濃度域における高感度AFP-L3分画の臨床的有用性について
小林 千明中西 優子大西 和夫小島 裕治矢花 正
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2014 年 63 巻 3 号 p. 374-378

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抄録
近年,AFP濃度10 ng/ml以下でAFP-L3%が測定できる高感度AFP-L3%が登場し,AFP低濃度域での測定が可能となったが,今回AFP低濃度域における臨床的有用性を検討した.PIVKA IIは腫瘍径と相関するが,AFP-L3%においては腫瘍径とは必ずしも関連せず,生物学的悪性度と関連し高値となる傾向を認めた.AFP-L3%は悪性度を反映し,予後予測や治療のモニタリングに用いることが有用である.また,コンビネーションアッセイを用いることで診断に有用であった症例があり,高感度AFP-L3%を用いて測定することは典型的なHCCのみならず,肉腫様HCCといった特殊なタイプのHCCの検索にも有用である.
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© 2014 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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