抄録
近年,AFP濃度10 ng/ml以下でAFP-L3%が測定できる高感度AFP-L3%が登場し,AFP低濃度域での測定が可能となったが,今回AFP低濃度域における臨床的有用性を検討した.PIVKA IIは腫瘍径と相関するが,AFP-L3%においては腫瘍径とは必ずしも関連せず,生物学的悪性度と関連し高値となる傾向を認めた.AFP-L3%は悪性度を反映し,予後予測や治療のモニタリングに用いることが有用である.また,コンビネーションアッセイを用いることで診断に有用であった症例があり,高感度AFP-L3%を用いて測定することは典型的なHCCのみならず,肉腫様HCCといった特殊なタイプのHCCの検索にも有用である.