医学検査
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原著
新潟県の食品取扱業者におけるノロウイルス感染予防対策の実際と不顕性感染者の頻度
生駒 俊和野崎 涼子浅井 孝夫木下 直彦坂井 一明土屋 康雄
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2015 年 64 巻 2 号 p. 155-162

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抄録
最近の研究では,ノロウイルス感染予防のためには,保健所からの指導要領の順守と不顕性感染者を早期発見し食品を取扱う部署での就業制限等の措置が重要であることを示している。しかし,これらの状況把握がどの程度必要であるかは明らかでない。本研究の目的は,食品取扱業者における保健所指導要領の順守状況や不顕性感染者率を明らかにすることである。新潟県内の食品取扱業者(ホテル,旅館,食品販売業等)にアンケートを送付し,従業員の健康管理,手洗い方法,二次感染予防対策,ノロウイルスに関する知識の理解など27項目について回答を求めた。このうち22項目は「はい」か「いいえ」で答える直接的な質問であった。得られた結果は,従業員数が10名以下の15施設(A群)と11名以上の12施設(B群)に分けて統計解析した。同時に,リアルタイムRT-PCR法により健常な従業員の糞便中からノロウイルスGenogroup IとIIの検出を行った。「はい」と回答すべき22項目の順守率はA群で9.1%(2/22),B群で31.8%(7/22)であった(p < 0.05)。A群ではB群に比べ「爪ブラシの使用」と「独自の食中毒マニュアルの作成」の順守率が有意に低かった。ノロウイルスGenogroup IIがA群の男性から2名(0.98%)検出された。ノロウイルス感染予防には,小規模施設における保健所指導要領の順守率を上げること,不顕性感染者はノロウイルス陰性まで食品を取扱う部署での就業制限を設けること等が重要である。
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© 2015 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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